住所録マクロの使い方

(H21.12.27 住所録マクロ version 2.1n 対応)

住所録マクロ・いきさつ


例えば、「よくわかる Microsoft Office Word2003 基礎」の 218ページ(「よくわかる Microsoft Office Word2007 基礎」は 214ページ)には「はがき宛名印刷ウィザード」を使って年賀状の宛名面を作る方法が載っています。
このテキストでは、付録の「データ CD-ROM」に入っている「住所録」(Word文書)

を使います。しかし、このウィザード,色々制約があります。例えば下記です。

    1. 住所1は16文字以内に納めないと、1行に納まらない。(途中で行が変わる)
    2. 住所が16文字を超えると、住所2が印刷されない。
    3. 住所1および住所2は半角数字でないと漢数字に変換されない。

麻里府パソコン同好会でもこの「はがき宛名印刷ウィザード」で宛名書きをしますが、

  • 上記の制約をクリアーするような住所録を作るのは不可能であり汎用性がない ことから、
  • 手持ち(既存)の住所録から「はがき宛名印刷ウィザード」専用の(使い捨て)住所録を作る こととし、
  • そのための「住所録マクロ.xls」を作成したものです。

このマクロ(Excel-VBA)は

  • 自分の Excel 住所録から「はがき宛名印刷ウィザード・縦書き」専用の Excel 住所録を出力します。
  • 出力した住所録は「使い捨て」用です。宛名印刷するつど、作る必要があります。
  • 麻里府パソコン同好会で行う「はがき宛名印刷ウィザード」は、この住所録を使う前提にしています。
  • 他の目的で使用すると不具合が発生する可能性があります。


住所録マクロ・Excel 住所録の形式

自分の住所録の形式(リスト形式)の例です。

  1. リスト形式(データベース形式)であること。(必須)
    • 1行目は項目名。
    • 同じ項目名、あるいは項目名がスペースの列があってはいけない。
    • 2行目以降がデータ(住所録)。
    • 途中に空白行を入れない。(名前が空白のはがきを印刷してしまう)
  2. 列の順序
    • 「住所録マクロ」を使う限り重要ではありません。
  3. 項目名
    • 上記がベストです。項目名が異なると、住所録マクロを使うつど対応させる必要があります。
  4. データの並び順
    • 任意です。今、並んでいる順序でハガキに出力されます。
  5. 必須項目
    • 氏名 (または名前
      • 姓と名の間はスペースを入れます。
         「はがき宛名印刷」で対応できる文字数は6文字以下です。
        1. 氏名が6文字の場合は住所録マクロがスペースを取り去ります。(住所録は変更されません)
        2. 7文字以上は場合は、住所録マクロが警告を出します。該当分のみを手作業で「フォントを小さくする」等の修正が必要となります。
    • 欠礼
      • 例えば、今年(2009年)喪中の方は “2009” を入力します。住所録マクロが「今年」以上のレコードは出力対象外にします。(「今年」とは、パソコンが持っているカレンダーの西暦年です)
    • 連名
      • 宛名の左に表示する名前(連名)です。同じ姓の場合は「名」のみ入力します。
    • 郵便番号
      • 間に “-” を入れます。半角/全角を問いませんが、半角文字の方がベターです。
    • 住所 (または住所1
      • 県から入力(郵便番号を住所に変換した場合)してかまいません。県、郡は省略してもかまいません。
    • 住所2
      • マンション名等を入力します。
         「肩書き」として使用する場合は、下記の「上詰」の項目が必要です。
    • 桁1
      • 入力は不要です。
      • 住所録マクロが住所(住所1)の文字数をセットします。16字以上の場合、ハイライトします。これは、はがきの一行に納まらないからです。
  6. 任意の項目
    • 順序 (または No
      • 住所録の並び順を入れておく列です。ユーザーが入力します。
    • かな
      • 氏名のふりがなの上一桁を入力します。カタカナでも問題ありません。
      • 「あいうえお順」に並べる時に利用します。
      • 関数で入力する場合は、“=Left(Phonetic(氏名のセル),1” です。
    • 上詰
      • はがきの住所2の縦位置を、下記コードで入力します。
         縦位置はスペース数で調節するため、おおよその位置になります。
        • 1:上詰め ‥‥ 例えば、肩書きに使う場合です。
        • 2:中央 ‥‥ 例えば、会社名に使う場合です。
        • 3 または未入力:下詰め ‥‥ 例えば、マンション名等に使う場合です。
    • 敬称
      • 敬称(様,先生,御中等)を使い分ける場合です。
      • この項目が無いと、“様”になります。(「はがき宛名印刷ウィザード」の設定による)
    • 部署
      • 使用しません。
    • 役職
      • 使用しません。


住所録マクロを試験的に開く

マクロを使えるようにします。マクロもウィルス の一種です。マクロを使えるようにした後は、個人の責任でマクロ入りExcel ワークシートを開いてください。
この処理は最初の1回のみで、(設定は保存されますので)毎回行う必要はありません。

1)「住所録マクロ」を開きます。
2-1)「マクロが使用できません」の警告が出たら‥‥
セキュリティが高くてマクロが使えない」と言っています。
    1. [OK]をクリックします。
    2. パソコン管理者に「セキュリティレベル」を“中”にする了解を得ます。
    3. [ツール]メニュー ⇒[マクロ]⇒[セキュリティ]をクリックします。
    4. [セキュリティレベル]タブを選択し、
    5. “中(M) コンピュータに損害を与える可能性があるマクロを実行する前に警告します。”を選択します。
    6. [OK]クリックします。
    7. Excel を終了させ、
    8. 再度、「住所録マクロ」を開きます。

2-2)「“****”はマクロを含んでいます」の警告が出たら‥‥

    1. [マクロを無効にする]をクリックし、
    2. その後、Excel を終了させます。
    • この状態が正常‥‥です。
       住所録マクロを開く度にこの警告が出ますので、通常は、[マクロを有効にする]をクリックします。
    • 注意
       マクロを作った覚えのない Excel ファイルを開いた時、この警告が出た場合は、
      1. とりあえず、[マクロを無効にする]ボタンをクリックします。
      2. 作成者(または入手元)に「マクロが入っているか?」確認し、指示を仰ぎます。
      3. 警告にもあるように、不用意に[マクロを有効にする]をクリックすると、ウィルスに感染する可能性があります。
      4. 自分のパソコンがウィルスに感染していたとします。このマクロをコピーして他人に渡すと、その人がウィルスに感染する可能性があります。この場合の責任は、渡した人にもあります。
2-3)Word2007の場合
  1. メッセージバーに「マクロが無効にされました」が表示されます(わかり難い!)ので、
  2. [オプション]をクリックし、
  3. Microsoft Office セキュリティ オプション】ダイアログボックスに、「このコンテンツを有効にする」があるか否かを確認します。
  4. [キャンセル]で閉じます。
  5. [×]ボタンで Excel を終了します。
3)何も警告がでない場合
    • セキュリティレベルが高すぎる(完全防御)か、低すぎます(無防備)
    • セキュリティを設定した人に連絡して相談してください。

住所録の漢数字変換を行うと‥‥

漢数字変換を行うと、

  • 「Wordで宛名印刷専用住所録」(Microsoft Excel ワークシート)が出来ます。(毎回、作り替える)
  • この「Wordで宛名印刷専用住所録」を Word の「はがき宛名印刷ウィザード」のデータファイルとします。
    • 「はがき宛名印刷ウィザード」で作成した Microsoft Word 文書を保存しておけば、住所録(Excel)を変えても、宛名書き Word 文書を作り替える必要はありません。
  • 自分の住所録を変えただけでは、宛名書きに反映されません。
  • 「Wordで宛名印刷専用住所録」を開いて見るのは自由ですが、ここを修正するのは無意味です。
     削除しても問題ありません。(また、出来ます)


住所録マクロ・サンプルデータ

SampleData.zip ‥‥ クリックするとダウンロードできます。

  • 圧縮(zip形式)フォルダです。個人の責任でお使いください。
  • 復元すると、[サンプル住所録]フォルダの下に、次のファイルが入っています。
    1. 住所録サンプル (Microsoft Excel ワークシート)
      • 練習用の住所録です。
    2. 住所録マクロ (Microsoft Excel ワークシート)
      • 漢数字変換を行うマクロが入った Excel ファイルです。

住所録の漢数字変換を行うには

  1. 全てのウィンドウを閉じます。(任意)
    • これは任意ですが、Excel や Word が開いていると競合して正常に動作しません
  2. 自分の住所録があるフォルダを開きます。
  3. 自分のExcel住所録を開きます。
  4. 修正する時は修正します。
     その後、住所の漢数字変換を行うワークシートをアクティブにして (上書き保存)します。(修正しなければ不要)
    • 対象となる住所録は、保存する時「アクティブ」だったワークシートです。
      例えば、「個人用」と「業務用」の住所録がある場合、
      右図の状態で保存すると「業務用」のはがき宛名印刷を行うことになります。
    • 住所録は開いたままにしておきます。閉じてしまった場合は、開いてください。
  5. 住所録フォルダをアクティブにし、(タスクボタンをクリック)
  6. 「住所録マクロ」を開きます。
    • Excel 2003以前のバージョンは【セキュリティ警告】が出ますので、
      [マクロを有効にする]をクリックします。
    • Excel 2007はメッセージバーに「セキュリティの警告 マクロが無効にされました」と表示されるので、
      1. メッセージバーの[オプション]をクリックします。
      2. Microsoft Office セキュリティ オプション】ダイアログボックスの「このコンテンツを有効にする」を選択し、
      3. [OK]をクリックします。
  7. 「自分の住所録が開かれていません」が出た場合、
    1. [OK]をクリックし、
    2. 次のダイアログボックスで、

      [閉じる]をクリックします。
    3. 「変更を保存しますか?」と聞かれた場合は、[いいえ]をクリックします。
    4. その後、最初からやり直します。
  8. 【Word宛名書き住所漢数字変換】タブで、下記を入力し[実行]します。

§入力項目


表示の項目に対応する住所録の列番号(列記号)を入力します。

  • リスト表示ボタン をクリックすると項目名が表示されますので、該当する項目名をクリックします。
  • 住所録マクロが推定出来る項目は、列番号は入っています。
     これが正しいか否かは解りませんので、自分で確認してください。
  • ダブルクリックで列番号を消去できます。但し、入力必須項目には使えません。
※ 入力必須項目
  • 氏名
    • 宛名の列記号です。省略できません。
  • 欠礼
    • 欠礼年の列記号です。省略できません。
  • 連名
    • 連名の列記号です。省略できません。
  • 郵便番号
    • 郵便番号の列記号です。省略できません。
  • 住所
    • 住所の列記号です。省略できません。
  • 住所2
    • 住所2の列記号です。省略できません。
  • 桁_1
    • はがきに表示する住所の桁数が入る列記号です。省略できません。
※ 入力任意項目
  • 敬称
    • 敬称の列記号です。
    • 省略すると、Word の「はがき宛名印刷ウィザード」で指定した文字(例えば、“様”)になります。
  • 上詰
    • 住所2を上詰め/中央/下詰めするかを指示する列記号です。省略すると下詰めになります。
  • 部署
    • 部署の列記号です。
  • 役職
    • 役職の列記号です。
※ 出力項目

「宛名印刷には使用しないが、データを選択したい」場合に指定します。
最大で3ヶ指定できます。上から順に指定してください。

  • (1)
    • 列記号を指定すると、その項目名を右側に表示します。
    • ダブルクリックすると、消去します。
  • (2)
    • (1)と同じです。
  • (3)
    • (1)と同じです。
※ その他の項目

規定値として表示されます。変更は出来ますが、削除はできません。基本的には変えない方が無難です。

  • 開始行
    • データの開始行です。
    • 規定値は 2 です。変更可能です。
  • 終了行
    • データの終了行です。
    • 規定値は自動的にセットされます。変更可能です。
  • 文字数
    • はがきに印刷する1行目の住所の文字数です。
    • 規定値は15です。
    • Word の「はがき宛名印刷ウィザード」をカスタマイズした時に変更します。
  • 会社数
    • 「住所2」の文字数の文字数です。
    • 規定値は17です。
    • Word の「はがき宛名印刷ウィザード」をカスタマイズした時に変更します。
  • 欠礼年
    • 「欠礼」列の値がこの値以上のレコードは出力しません。(=印刷しない)
    • 変更する時は、スピンボタン を使って増減します。
チェックボックス
  • 欠礼年以上は出力しない。
    • 「欠礼年」以上のレコードも出力する場合は、チェックを外します。
      (チェックを外すと、住所録の全データを出力することになります。)
  • 県・郡は省略しない。
    • チェックを入れると、住所中の県や郡名を取り除く処理を行いません。
      結果として、住所_1 が長くなりますので、2行に分割する手間が増えます。
  • 出力項目は次回も使う。
    • 出力項目(1)〜(3)を入力した場合場合、チェックを入れると、次回も同じ出力項目を付与します。チェックを外すと、次回の出力項目は空になります。
      出力項目を使わない場合は、チェックを入れても入れなくても関係ありません。
    • 出力項目(1)〜(3)を入力した場合、次回も同じ出力項目を付与します。チェックを外すと、次回の出力項目は空になります。
      出力項目を使わない場合は、チェックを入れても入れなくても関係ありません。
  • 確認メッセージは出さない。
    • チェックを入れないと、「敬称」「上詰」「部署」「役職」を使わないときは警告が出ます。
    • チェックを入れると、この警告は出ません。その他のエラーも無ければ、処理終了後、自動的に閉じます。
    • この設定は、保存されます。(次回も有効)

§ 終了メッセージ
●住所の漢数字変換が終わりました。出力した中に、住所_1が15文字を超えた[住所]はありませんでした。
  • [いいえ]をクリックします。
    • 「住所録マクロを終了しますか?」で、

      [はい]をクリックします。
  • [OK]のボタンしかない場合は、

    [OK]をクリックします。
  • 次のメッセージの意味
    1. 「氏名」中のスペースを取った件数=*
      • 氏名が6文字を超える場合は、氏名中のスペースを自動的に取り去ります。その件数です。
    2. 「氏名」の桁数オーバー=*
      • 氏名中のスペースを取り去っても6文字を越えた件数です。
      • はがき宛名印刷時、個別に「フォントサイズを下げる」等の修正の加える必要があります。


住所録マクロが発する警告

§起動時のエラー

「住所録マクロ」を開いた時に出るエラーメッセージです。

●この住所録は使えません。
  • 「Wordで宛名印刷専用住所録」を開いている場合です。
     このファイルは「住所録マクロ」が出力するファイルで、自分の住所録としては使えません。
●自分の住所録が開かれていません。
  • 「住所録マクロ」を開く前に、必ず自分の住所録を開きます。
●複数の Excel が開いています。
  • 「住所録マクロ」を開く前に、複数の Excelブックを開いている場合です。開いておける住所録は一っです。
●この住所録は使えません。(保存されていません)
  • Microsoft Excel を起動し、保存しないまま「住所録マクロ」を開いた場合です。
     必ず(上書き)保存してから、「住所録マクロ」を開きます。

§出力項目に関するエラー
●出力項目(*)の項目付与に失敗しました
  • 出力項目(1)〜(3)が住所録中に無い場合です。
  • このメッセージが出た出力項目は空になります。
  • 「出力項目は次回も使う。」にチェックを入れた場合に出るケースが多いです。

§実行時に出るメッセージ
●未定義の項目があります。
  • 表示の(入力任意)項目の列記号を指定しなかった場合です。
  • 特に支障はありません。[はい]をクリックすると続行します。

●入力エラーです。
  • 表示の(入力必須)項目の列記号を入力する必要があります。
  • [OK]をクリックすると ‥‥
    1. 下図の「〜今すぐ追加しますか?」が出た場合、
    2. [はい]をクリックすると、不足項目を住所録に追加後、住所録マクロが再起動します。
      [いいえ]をクリックすると、元の画面に戻ります。
●住所の漢数字変換が終わりました。出力した中に、住所_1 が15文字を超えた[住所]が * 件ありました。

  1. [OK]をクリックします。
  2. 住所録が表示されますので、
    • 「桁1」がハイライトされているレコードを探します。
    • 「住所」(または住所1)の(はがき上の)住所_1と住所_2 の切れ目にスペースを入力します。切れ目は右端より17字以内にします。
    • 上書き保存します。
  3. 再度、住所録マクロを起動します(開く)。

▲ 目次へ