複数のテキストボックスをつなげて使う

日経パソコン 2008.9.8号 の「作って覚える Word」に載っていた記事。
中央右側の画面のような Word 文書を作る。ポイントは、

  1. 中央のリングの絵(オートシェイプ)
  2. 2つのテキストボックスをリンクして文章が流れるようにする。(右下に書いてある)

ここに載っていた技+よくわかる Microsoft Office Word 演習問題集 の Lesson30 で、次のような文書(A4版横置き.2ページ)を Word2003 で作ってみた。


日経パソコンとの違いは、中央のリングの絵をヘッダーに貼り付けてある点。
複数ページになっても対応できるが、テキストボックスはその都度貼り付ける必要がある。

ページ設定

  • [用紙]タブ
    • 用紙サイズ: A4(既定)
  • [余白]タブ
    • 印刷の向き: 横
    • 余白 上: 19mm, 下: 14mm, 左右: 18mm
      • 開始時(オートシェイプで絵を描き、ヘッダーに移すまで)の余白/上は14mm。
  • [文字数と行数]タブ
    • 文字数と行数の指定: 「標準の文字数を使う」
    • [フォントの設定]
      • 日本語用のフォント: MS P明朝
      • 英数字用のフォント: (日本語用と同じフォント)
      • スタイル: 標準
      • サイズ: 12pt.
  • [その他]タブ
     この設定は「結果としてこうなった」のであって、事前に判っていたものではない。
    • ヘッダー: 5mm
    • フッター: 5mm

グリッド線

オートシェイプで絵を描く時の設定。

  1. [ツール]メニュー ⇒[オプション]⇒[全般]タブ
    • 使用する単位: ミリメートル (mm)
    • 「文字単位での編集を可能にする」のチェックを外す。
  2. 【図形描画】ツールバーの、[図形の調整]⇒[グリッド]

    右図のとおり。

オートシェイプで絵を描く

§準備
  • 用紙はA4版横置きなので、幅は 297mm。
  • 左右の余白は、各 18mm なので、用紙の有効幅は、297−18×2=261mm
    • 1mm は誤差の範囲内とし、有効幅は 260mm とする。
  • 中央は 4mm 空けると、左右のページ幅は (260-4)/2=128mm
    • グリッド線の数に換算すると 128/4=42本
§左右の枠線を描く
  1. 【図形描画】ツールバーの[オートシェイプ]⇒[基本図形]⇒「角丸四角形」をクリックし、
  2. グリッド線の左上角から右下にドラッグし、幅 128mm の角丸四角形を描く。
  3. ハンドルをグリッド線に合わせる。
    • 書式設定で角丸四角形の幅を 128mm にしても、グリッド線に合わない。(たぶん)
      ここでは、グリッド線に合わせることにする。(私のパソコンでは 128.69mm になる)
  4. グリッド線が見えるように、[塗りつぶしの色]を「塗りつぶしなし」にする。
  5. コーナーの半径を決める。
    • 黄色のハンドルで変える。半径4mmにすると、合わせ易い。
  6. 右側の枠を作るため、間を4mm空け、コピー([Ctrl]+ドラッグ)する。

作成中のイメージ

(枠線は赤色表示してある)

§リングとリング用の穴を描く
  1. 直径4mmの円を2っ描く
    • 楕円で描き、ハンドルをグリッド線に合わせればよい。
  2. リングは角丸四角形で描き、黄色のハンドルを右一杯までドラッグする。
  3. 円の書式、[色と線]を決める。
     一方を設定し、他方は[書式のコピー/貼り付け]で行うとよい。次の書式は任意。
    • 「塗りつぶし」の色:25%灰色
    • 「線」の色:シーグリーン, 太さ:3pt.
  4. リングの書式、[色と線]を決める。
    • 「塗りつぶし」の色:ベージュと白の、中央からのグラデーション
    • 「線」の色:線なし
  5. 重ね合わし、
  6. グループ化する。
    1. [オブジェクトの選択]をオン
    2. 3っの図を選択(囲むようにドラッグ)し、(右図)
    3. [図形の調整]⇒[グループ化]をクリックする。
    4. [オブジェクトの選択]をオフ

§リングを等間隔に配置し、全体をグループ化する
【ポイント】
  • リングは、[Ctrl]+ドラッグで、次々コピーするのが便利。グリッド線に合わせると揃う。
  • リングとリングの間隔は任意。自分でデザインすればよい。
  • リングのコピーが終わったらページ全体をグループ化する。
    • この時、[ズーム]で「ページ全体を表示」にしておくと操作し易い。
§グループ化した図を切り取り、ヘッダーに貼り付ける
  1. 念のため、上書き保存する。
  2. グループ化した図を選択し、
  3. 切り取る。([Ctrl]+[X])
  4. ヘッダーを表示し、
    • [表示]メニュー ⇒[ヘッダーとフッター]をクリック
  5. 貼り付ける。[Ctrl]+[V]
  6. 貼り付けた図の位置を調節し、
    • 上余白の下がベター?
  7. ヘッダーとフッターを[閉じる]。
  8. 完成したら上書き保存しておく。
§テキストボックスを貼り付ける

左のページ用と右のページ用のテキストボックスを貼り付けます。



【ポイント】

  1. テキストボックスを貼り付ける前に、ページの1/3程度まで[Enter]キーを押し「空の段落」を作っておく。
    • これは、「次のページ」を作る時に役立つ。
  2. テキストボックスの位置,大きさは、余白を考慮して決める。
    • 開始位置を1行目にする必要はない。
       目次を作るのであれば、1行目はタイトル用に空けておく手がある。
  3. テキストボックスの書式
    • [塗りつぶしの色]は、「塗りつぶしなし」にしておくと、グリッド線が見える。
    • [線の色」は、「線なし」か。
  4. 左側と右側のテキストボックスの位置、大きさは揃える必要はない。
§テキストボックスのリンク


例えば、右図のように4っのテキストボックスがある場合です。

に入力した行数が増えた場合、続きをに表示させる場合です。(「流し込む」等と言います)
同様に、の続きをに、更にに続けることも出来ます。

  1. テキストボックス内をクリックする。
    • 【テキストボックス】ツールバーが表示される。
       表示されない場合は、[表示]メニュー ⇒[ツールバー]⇒[テキストボックス]をオンにする。
  2. 【テキストボックス】ツールバーの[テキストボックスのリンクの作成]をクリックし、
  3. テキストボックスをクリックする。
ヒント
  • リンク先のテキストボックスに入力があるとリンクできません
    エラーメッセージが出ます。
  • リンクの操作を中止するには、[Esc]キーを押します。
  • テキストボックスのリンクを解除するには、テキストボックスをクリック ⇒[テキストボックスのリンクの解除]をクリック します。
  • 上記例の続きで、テキストボックスをリンクするには、テキストボックスをクリック ⇒[テキストボックスのリンクの作成]⇒をクリック します。
  • テキストボックス内では改ページ([Ctrl]+[Enter])は使えません。
  • 次の(空の)ページを作る場合は、
    1. [Ctrl]+[End](現在の文書の最後にカーソルを移す)
    2. [Ctrl]+[Enter](改ページ)
       但しこの方法は、「テキストボックスを貼り付ける前にページの1/3程度まで[Enter]キーを押し「空の段落」を作ってく」をやっておかないと使えません。
§サンプルデータ

ここで使ったWord文書を ここ からダウンロードできます。
上記ページに移動後、「テキストボックスをつないだインストラクタの技術.doc」の下にあるアイコンをクリックしてください。