インターネットしよう −1

インターネットとは

インターネットinternetの、インターInterは「相互」の意。ネットはネットワークnetwork、すなわち「連絡網」という意味ですが、コンピュータの世界では「通信回線網」を指します。
これを結合すると、「各地に散在するコンピュータ ネットワーク(LAN*1 や WAN*2 同士を専用線(電話線や 光ファイバー 等)によって接続した巨大なネットワーク」という意味になります。「ネットワークのネットワーク」と言われることもあります。

パソコン同好会でも、各パソコンを LANケーブル*3 で接続し、インターネットやデータを 共有*4 しています。見かけは悪いですが、これも立派なネットワークなのです。
インターネットのことをウェブ(Web)、あるいはWWW(World Wide Webの略)と言うこともあります。Webとは「くもの巣」の意味です。LANケーブルでつないでいる様子を「くもの巣」に例えたのでしょう。WWWで、「世界的規模のくもの巣」ということになります。
インターネットが普及したのはつい最近ですが、歴史は古く、冷戦時代の1969年頃、アメリカ国防総省が北米地域の軍事施設や大学のコンピュータ同士を接続したのが始まりです。

インターネットを利用するには

インターネットを利用するには、次のものが必要です。

  1. パソコン
    • WindowsXP 以降のパソコンであれば問題ありません。WindowsXP より前のパソコン(具体的には、WindowsMEWindows98Windows95 等)では、Microsoft社のサポート対象外になっており、セキュリティ上の問題があります。

      次の信号変換器を購入する場合は、どの OS に対応しているかを事前に確認する必要があります。但し、WindowsXP 以降であれば、特に問題ありません。(市場に出ていない)

  2. 信号変換器
    • 通常、インターネットは電話回線を使用します(地域によっては、光ケーブルやケーブルテレビ(CATV)も利用可能)。そのため、音声(アナログ)信号をパソコンの(デジタル)信号に変えるための変換器(モデム*5)が必要になります。回線の種類(後述)で必要な機器が異なり、共用はできません。
  3. プロバイダに加入
    • 家庭の電話線をインターネットに接続するには、インターネット サービス プロバイダ(略してISP)と呼ばれる「接続業者」の力を借りる必要があります。

      契約の種類としては、接続した時間に比例する従量制と使いたい放題の固定制があり、月額数百円〜数千円の料金が掛かります。

      この費用に中には、「ホームページを作成するための場所代」「メールボックス(郵便受け)の設置費用」などが含まれますが、家庭からプロバイダまでの電話代は個人負担(OCN*6 のコミ・デ・プラン のように電話代込みの契約もあります)になります。

  4. パソコンの設定
    • 最近は設定用CDがあったり、出張サービス、電話でのサポートが充実しているなど以前に比べ設定し易くなっています。しかし、設定項目に変わりはなく、更に、プロバイダや機器により設定方法が異なる,言葉が違う,どんどん新しい技術が生まれている等「解らない」ことが多いのも事実です。

接続回線の種類と特徴

(金額は初期投資費用で、H16年に「自分」で行った場合の概算)

  1. アナログ
    • ごく一般的な電話線(加入者線
       通信速度は、性能上は56Kbps*7 であるが、実行速度は32Kpbs前後。電話が引いてあればインターネットが出来るが、インターネット中は電話が使えない。
       信号変換器(モデム)は、以前は標準装備であったが、最近はない機種の方が多い?
    • 現在使うとすればメール程度で、インターネットをアナログ回線で行うのは無理。(表示に時間が掛かり耐えられない)
  2. ISDN
    • Integrated Services Digital Network の略で「統合デジタル通信網」と言っている。音声を含めた通信データをすべてデジタルで転送する電話回線。

      NTTの当初のうたい文句は、「安定した速度で通信が出来る」「同時に電話を2回線使用できる」だった。

      • 通信速度は 64Kbps でアナログ回線の約2倍。
      • インターネット中に電話(1回線のみ)が使える。
      • 電話の基本料金が月額800円増える。工事費 3,000円、装置代(TA) 例えば、12,800円。
    • メールには問題ないが、インターネットでは表示に時間が掛かり耐えられないであろう。(そういう時代になった)
  3. ADSL
    • Asymmetric Digital Subscriber Line の略で「非対称デジタル加入者線」と言っている。従来の電話回線を利用して高速なデータ通信を可能にした技術の1っで、上り(自宅→プロバイダ)と下り(プロバイダ→自宅)の速度が異なることから、「非対称」と呼ばれる。ADSLは、近くにISDN回線があると干渉し合うなど、高速度だけに環境の影響を受け、速度が低下すると言われている。

      パソコン同好会では、契約は 40Mbps であるが 実質 8Mbps 出ており*8、麻里府地区内では優秀な方。ISDN の125倍となる。

      インターネット中に電話は可能。工事費3,000円、装置代(スプリッター、ADSLモデム)9,800円。ISDNからADSLに変更する時は、アナログ回線に戻す費用(3,000円)も必要。月額利用料金は固定制で、モア40(40Mbps)で2,980円

      同時に二人以上で行なうのであればルーターという装置買い増し(モデムのほぼ半値?)が必要。無線にすると更に高くなる。

  4. CATV
    • Community Antenna TeleVision の略。テレビの有線放送サービス。山間部や人口密度の低い地域など、地上波テレビ放送の電波が届きにくい地域でもテレビの視聴を可能にするという目的で開発された。近年では多チャンネルや電話サービス、高速なインターネット接続サービスなどを武器に、都市部でも加入者を増やしている。人口密度の低いアメリカでは普及率がきわめて高い。
    • Kビジョン山口県下松市)は「Kネット」というインターネット接続サービスを行っている。回線速度は最大で30Mbps(上りは1Mbps)。
       サービスエリアは、下松市・光市・周南市熊毛地区・平生町・上関町となっている。
    • CATVでインターネットをする場合のプロバイダーはケーブルテレビ会社となり、プロバイダーの選択代はない。
  5. FTTH
    • Fiber To The Home の略。一般家庭に光ファイバーを引き、電話、インターネット、テレビなどのサービスを統合して提供する構想の名称であったが、転じて、そのための通信サービスの総称として用いられるようになった。
    • 光ファイバーは、非常に細いガラス繊維のケーブルを厳重に包み込んだケーブル。データは光に変換され、安定した状態で通っていくことができる。現在、ADSLの通信速度が最大下り47Mbpsなのに対し、光ファイバーなら最大100Mbpsの速度を持っている。電話回線のように、距離やノイズによる影響もない。
    • 代表的なのは NTT の「Bフレッツ」で、通信速度は最高で100Mbps。一般的には複数ユーザー(5人以上?)で共有するため、通信速度は若干落ちる。現実的には20MB〜30MBが出ていれば一般的であろう。

インターネットでウェブページを見るまでの流れ

インターネットに接続し、パソコンの画面に「麻里府発」のウェブページ が表示されるまでの流れは、概ね次のようになります。

  1. プロバイダに接続
    • ユーザーは契約しているプロバイダにパソコンから電話し、ユーザーID.(会員番号)とパスワードを送る。(1)
      この手順は、「ダイヤルアップ」と言われていますが、「常時接続」の時代になってがラッと変わりました。
      • ADSLでは、通常、パソコン起動時に接続を行い、「つなぎ放し」にします。
      • ルータ*9 を使うと、一年中接続しています。パソコンの電源を切っても接続しています。使わないだけなのです。
    • プロバイダは送られてきたユーザーID.が自社の会員であることを確認し、更にパスワードが一致していれば、回線を接続しサービスを開始する。(2)
  2. ウェブページ*10 閲覧
    • ユーザーは見たいウェブページアドレスをプロバイダに送る。(3)
    • プロバイダはアドレスをWebに流し、ウェブページのデータが送られてくるのを待つ。(4)
    • Web上のプロバイダは自社宛のデータを拾い出し、該当するウェブページのデータを「要求元プロバイダ宛」に順次流す*11。(5)
    • (要求元)プロバイダは、Webから自社宛データを拾い出し、要求元ユーザーに送る。(6)
    • 要求元ユーザーのパソコンに、ウェブページデータが届くと、画面に表示される。(7)

プロバイダにあるウェブページを直接見ているのではありません。
ウェブページのデータを自分のパソコンに受信し(ダウンロード)、受信したデータを見ています。この「受信に要する時間」が問題で、長時間要する(「重い」という)と、「もういいッ!!」と中止したり、「イライラしながら待つ」ことになります。
上記の(3)〜(7)を繰り返し行うことを「ネットサーフィン」と言っています。

ウェブページ アドレス

アドレス address とは「住所」の意味です。ウェブページには全て住所が付いており、迷子にならないようになっています。難しくは、URL(ユーアールエル,Uniform Resource Locator の略)と言いい、世界中の人が利用しますので、次のような約束になっています。

  • 半角英数字・記号を使う
    • これは、インターネットがアメリカで発明されたことに起因しています。日本語などの全角文字はアドレスとして認識してくれません。*12
  • 国別に管理する
    • 各国にはアドレス(正しくはドメイン*13)を管理する組織があります。日本では JPNIC *14 が行なっています。
  • アドレスの構成
     次は、Yahoo!天気情報の「田布施町別府」のピンポイント天気のアドレスです。
    http://weather.yahoo.co.jp/weather/jp/35/8130/35343/7421514.html
    /は、「区切り記号」と呼ばれ、構成の区切りに使われます。

    1. 通信手順名
      • 先頭にある“http:”です。これは、HyperText Transfer Protocol の略で、インターネットでウェブページを見るための通信手順(プロトコル protocol )です。
         固定ですので、入力を省略できます。
    2. ドメイン
      • “weather.yahoo.co.jp”で、ウェブページがあるコンピュータの名前です。
        コンピュータ名は、先頭に“//”を付ける約束になっています。
    3. フォルダ名
      • ドメイン名に続く“weather”,“jp”,“35”,“8130”,“35343”です。これは、ウェブページがコンピュータの何処にあるか、その場所の名前です。
         例えば、「麻里府公民館は何処にありますか?」と地球の反対側から聞かれた場合です。「日本」の「山口県」の「熊毛郡」の「田布施町」の「別府」‥‥ と言った具合です。
    4. ファイル名
      • ウェブページの名前で“7421514.html”がこれに相当します。
        ファイル名が“index.htm”または“index.html”の場合は省略出来ます。

ドメイン名の構成

JPNIC のウェブページを参考にしました。例えば、下記のアドレスの茶色の部分がドメイン名です。

  • ウェブページアドレスの場合
       www.example.co.jp/folder/file.htm
  • 電子メールアドレスの場合
       taro@example.co.jp

    • ピリオド「.」で区切られた部分は「ラベル」と呼ばれます。1つのラベルの長さは63文字以下、ドメイン名全体の長さは、ピリオドを含めて255文字以下でなければなりません。ラベルには、英字(A〜Z)、数字(0〜9)、ハイフン( - )が使用できます。(ラベルの先頭と末尾の文字をハイフンとするのは不可)
    • ドメイン名を構成する最も右側のラベルを「トップレベルドメイン」と呼び、以下左へ順に「第2レベルドメイン」、「第3レベルドメイン」、……と呼びます。
      (この構成は、アドレスが不足することから、更に複雑化しています。)
  1. トップレベルドメイン
     国を表します。アメリカは発祥の地であることからありません。
    • jp ‥‥ 日本
    • aq ‥‥ 南極
    • uk ‥‥ イギリス
  2. 第2レベルドメイン
     組織を表します。( )内は、アメリカ。
    • ac ‥‥ 学校
    • co(com) ‥‥ 会社
    • ed(edu) ‥‥ 教育機関
    • go(gov) ‥‥ 政府機関
    • ne(net) ‥‥ ネットワークサービス機関
    • or(org) ‥‥ 非営利団体
    • lg ‥‥ 地方自治
  3. 第3レベルドメイン
     名前(固有名詞)です。
  4. 第4レベルドメイン
     www は、World Wide Web、すなわちインターネットを指します。現在は拡張されていて、www がないアドレスもあります。

ドメイン名の次にくるものは‥‥

ドメインは、サーバー(プロバイダのコンピュータ)の名前です。
その次にくるものは、ウェブページがサーバーのどこに格納されているか、その格納場所です。


これをフォルダと言います。

「麻里府パソコン同好会は何処でやっているか」というと、
  ¤ 日本国の山口県の熊毛郡の田布施町田布施町役場の麻里府公民館の大会議室
となります。これを次のように書きます。
  ¤ //日本国/山口県/熊毛郡/田布施町/田布施町役場/麻里府公民館/大会議室/
ここでは、「日本国」がドメインで、以下はフォルダになります。フォルダの最後が、ここでは「麻里府パソコン同好会」がファイル(ウェブページ)に相当します。
具体的は例、Yahoo! で見てみましょう。

  1. Yahoo!JAPAN のアドレス: http://www.yahoo.co.jp
    • 通信手順名: http:
    • ドメイン名: www.yahoo.co.jp
    • フォルダ名: なし
    • ファイル名: index.html であるが省略されている。
  2. Yahoo!天気情報 のアドレス: http://weather.yahoo.co.jp/weather
    • 通信手順名: http:
    • ドメイン名: weather.yahoo.co.jp
    • フォルダ名: weather
    • ファイル名: index.html であるが省略されている。
  3. Yahoo!田布施町別府の天気 のアドレス: http://weather.yahoo.co.jp/weather/jp/35/8130/35343/7421514.html
    • 通信手順名: http:
    • ドメイン名: weather.yahoo.co.jp
    • フォルダ名: weather, jp, 35, 8130, 35343
    • ファイル名: 7421514.html

ファイル名が省略されている時は、「index.htm」または「index.html」という約束があります。これがインターネットのページに相当します。
この他にも約束事が種々ありますが、何れにしても「指定されたとおり」に入力しないと、目的のウェブページは表示されません。

目次へ

*1:LAN: Local Area Network の略で「ラン」と言う。家庭内や学校、企業内など狭い範囲でのネットワークをいう。

*2:WAN: Wide Area Network の略で「ワン」と言う。LAN と LAN を公衆回線や専用線使って接続した広い範囲のネットワークをいう。

*3:LANケーブル: パソコンとパソコンをつないでいる直径約5mmの線。通常は、中に2本ずつよった線が4組入っている。有線の他に、無線で行なうこともできる。

*4:共有: 1っのデータを複数のパソコンから使えるようにすること。

*5:モデムmodem.電話回線を通してコンピュータ同士を接続するための装置。コンピュータで扱えるデジタル信号を、電話の音声であるアナログ信号に変換する変調装置(modulator )と、その逆の復調装置(demodulator )の合成語。

*6:OCN:オープン コンピュータ ネットワークの略。NTTコミュニケーションズが運営する ISP

*7:Kbps:Kはキロ、bpsは bit per second の略で、1秒間に通信できる速度の単位。
例えば 56Kbps の場合、1秒間に約7,000字(半角)の通信速度となる。キロの1,024倍を、メガ(Mbps)という。

*8:NTTは「ベスト・エフォート」を前面に出し、通信速度を保証していない。誇大宣伝と言える。best effort とは、「最善の努力」といった意味の英語。

*9:ルータrouter.一度設定すれば、以後は自動的にインターネットに接続してくれる装置。複数の人が同時にインターネットできる。

*10:ウェブページwebpage.インターネットに公開された情報。内容によっては、巻物のように長いものもあるが、それでもページと言う。
日本ではインターネットの普及に伴い、ウェブページをホームページと言っているがこれは間違いで、外国では通用しない。

*11:順次流す:荷物が多いので、小分けにして送る。

*12:アドレス欄に全角文字を入力すると、アドレスを検索してくれるサービスがあります。

*13:ドメインdomain 「領域」「分野」の意。

*14:JPNIC:「ジェイ・ピー・ニック」と言う。日本ネットワークインフォメーションセンター JaPan Network Information Center の略。