麻里府パソコン同好会のネットワーク(結線図)

麻里府公民館では、パソコン同好会で費用を払っているADSLと、町が準備した「情報コンセント」(ADSL、条件付きです)でインターネットに接続できます。以下は、インターネットに接続するための、結線図(配線図)と、用語の説明です。

結線図

※ 一般家庭の結線

ごく一般的な家庭での結線図です。


※ 麻里府公民館のADSL

麻里府公民館での結線図です。

麻里府公民館で使用しているルーターは、モデム一体型です。更に、ADSL専用線ですので、スプリッタは使用していません。
一般家庭でルーターを使用している場合は、モジュラージャックとモデムの間にスプリッターが入ります。

※ 情報コンセント



麻里府公民館のADSLとの違いはモデムだけです。ADSLの結線図の「ルーター」が、「情報コンセント」と考えればいいでしょう。但し、パソコンの設定は異なりますので、個人のパソコンはインターネットにつながりません。

インターネットにつながらない時

「インターネットにつながないッ!」と言われた時、私が行っている方法です。これを行えばつながるというものではありません。

※ 取り扱い上の注意
  1. パソコン同好会では、そのつどケーブルの接続、取り外しを行います。
     これが一般的な使い方との大きな違いです。
  2. LANケーブルの断線は外観から分かりません。単線なので折れやすいです。ねじる,鋭角に曲げるのは避けなければなりません。
  3. コネクタ部分は、金メッキして電気抵抗やノイズを避けるようにしてあります。
  4. ケーブルの取り付けや片付ける時、ケーブルを引っ張ると下記の原因になります。足を使って、巻き取るべきです。
    • 固定ピンを折る
    • 金メッキの部分に埃をなすり付ける

モジュラージャック

電話線やLANなどの接続に用いられるコネクタ

 プラスチック製のプラグにツメが付いた形をしており、簡単に脱着できて抜け落ちにくい。そのため、モデムやLANの接続など、様々な用途に用いられている。最近の家庭内電話線差し込み口は、大半がこの形である。
 モジュラジャックには6極2芯、6極4芯など何種類かあり、アナログ電話回線などには6極2芯、LANケーブル・コネクタなどには8極8芯が用いられる。モジュラジャックの普及により、工事資格を持たなくとも消費者が気軽に屋内配線を行えるようになった。

  • 「6極2芯」と「8極8芯」では、コネクタの大きさが違います。
  • コネクタの雄の方には、抜け落ち防止用の爪が付いています。これが折れると、結果としてそのケーブルは使えなくなります。
  • コネクタは、接触抵抗を極力小さくするために金メッキされています。ここを「手で触る」,「汚す」と、接触不良の一因になります。

スプリッタ

音声信号(例えば、Phone)とデータ信号(例えば、Modem)とを分離する装置。
ADSL回線でスプリッタを使用しないと、雑音が入ります。

LANケーブル

LAN*1 の接続に用いる線。長さ以外に多くの種類があるが、同好会で使用しているのは、次の、ごく一般的な仕様で、1本に、ツイストペアが4組入っている。

  • UTPUnshielded Twist Pair cable,非シールドより対線)
     銅線を2本ずつより合わせたケーブルで、シールドしていないもの。
    一般家庭やオフィスで用いられる。工場などノイズの多い場所ではSTP(Shielded Twist Pair cable)を使います。
  • カテゴリー5
     アメリカ通信工業会(TIA)とアメリカ電子工業会(EIA)のTIA/EIA-568-A規格で規格化されているUTPケーブルの電気特性グレードの一つで、100MHzまでの帯域を使って通信できる規格。
  • ストレートケーブル
     パソコンとパソコン以外の機器(ルーターやハブなど)を結ぶために使われるケーブル。
    コンピュータ同士を直接結ぶには「クロスケーブル」を使う。

ごく一般的なLANを構築するのであれば、UTPカテゴリー5で問題ないと云われています。この数字が大きくなると「ノイズ」に強くなる,高速通信に耐えられるようになりますが、方向としてケーブルが硬くなります。サンワサプライ株式会社のWebページに、選び方のポイント が載っています。

ADSLモデム

コンピュータをADSL回線に接続する際に必要になる信号変換機。
電話回線でデータ通信を行なうときに使うモデム*2 に役割が似ていることから、このように呼ばれるようになったそうです。

ルーター

ネットワーク上を流れるデータを他のネットワークに中継する機器。
ADSLで使うものをブロードバンド*3 ルーターと呼んでいます。ブロードバンドルーターは、「プロバイダの役目をする機器」と言えます。
麻里府公民館で使用しているルーター(下図)は、NTT製の Web Caster 630M です。これは、ADSLモデム一体型のブロードバンドルーターです。回線はADSL専用のためスプリッタは使用していません。

ハブ

なぜか、大文字で HUB と書くようです。自転車の車輪の中央にある部品、あれがハブです。LANケーブル用の「テーブルタップ」です。ハブをつなぎ合わせる時は、その電気的仕様から4っ以下とされています。
ハブにも種類がありますが、麻里府公民館で使用しているのは「スイッチングハブ」です。

  • リピータハブ
     電気信号の増幅・再生のみをおこなうだけの、「普通のハブ」です。
  • スイッチングハブ
     LANケーブル中に余計なデータが流れないように制御する機能を持っています。リピータハブはそのハブにつながっている全てのケーブルにデータを流しますが、スイッチングハブでは、要求元のケーブルにしかデータを流しません。その結果、ケーブル中を流れるデータの速さを妨げない効果が期待できます。

ハブの口をポート port *4 と言います。2〜3年前までのハブは、入口のポート(一箇所)と、出口のポートは別だったのですが、今は技術の進歩でどこでもよくなっています。但し、入口のポートを決めておくべき*5 です。何故ならば、「つながらない」時、調べ易いからです。
麻里府公民館で使用しているハブのポート数は8ヶです。
会員が増えた時、16ポートのハブを購入しようとしたのですが、なぜか比例して安くならない(右図、灰色の線)のです。高いのです。
そこで、仕様の範囲内になるので、8ポートのハブを購入しデイジーチェーン(数珠繋ぎ)することにしました。ポート数が増えると、別の問題があるようです。

IPアドレス

「アイ・ピー・アドレス」,IPは、Internet Protocol の略。
 LANに接続する時、パソコン1台1台に固有のアドレス(住所)を割り当てます。これにより、間違いなくデータの授受ができるようになります。このアドレスをIPアドレスと言います。
現在広く普及している IPv4 では、8ビットずつ4つに区切られた32ビットの数値が使われており*6、「211.9.36.148」などのように、0から255までの10進数の数字を4つ並べて表現します。LANに接続しているパソコンには、必ずIPアドレスが割り当てられています。
インターネットに接続するときは、LAN内のIPアドレス(ローカルIPアドレス)と、インターネット上のIPアドレス(グローバルIPアドレス)が必要になります。この役目を負うのがプロバイダであり、ルーターです。LAN内ではローカルIPアドレスで、インターネット上では、グローバルIPアドレスでやり取りします。

DHCP

ディー・エッチ・シー・ピー,Dynamic Host Configuration Protocol の略です。「動的にIPアドレスを割り振る機能」を言いいます。
例えば、麻里府公民館で、LANケーブルをつなぎ、

  1. パソコンの電源を入れます。
  2. パソコンはDHCPサーバー(ここではルーター)に、IPアドレスを要求します。
  3. DHCPサーバーは、重複しないようなIPアドレスをパソコンに与えます。
  4. パソコンはそのIPアドレスを取得すると、「LANに接続した」ことになります。

この仕組みの欠点です。

  • IPアドレスが接続のつど変わる。
  • したがって、接続情報を監視できない。

これに対し、情報コンセントは「固定IPアドレス方式」です。

  • 決められたIPアドレス以外は接続できません。
  • IPアドレスが固定されているので、接続情報をトレースすることができます。

DHCPサーバーには、予めIPアドレスが振られています。ipconfig コマンドを打って、「デフォルト ゲートウェイ」で表示さるアドレスです。

デフォルト ゲートウェイ

 所属するネットワークの外のコンピュータへアクセスする際に使用する「出入り口」の代表となるコンピュータやルータなどの機器。アクセス先のIPアドレスについて特定のゲートウェイを指定していない場合に、デフォルトゲートウェイに指定されているホストにデータが送信される。設定元のコンピュータからデフォルトゲートウェイまでは直接アクセスできなければならない。

ルーターが「デフォルト ゲートウェイ」になります。ルーターは、講座中のネットワーク(上記の「所属するネットワーク」)とインターネット(上記の「外のコンピュータ」)の出入り口(gateway )となるからです。

DNS

 インターネット上のドメイン名とIPアドレスを対応させるシステム。全世界のDNSサーバが協調して動作する分散型データベースである。IPアドレスをもとにドメイン名を求めたり、その逆を求めたりすることができる。

DNSは、Domain Name System の略で、その役を担うのが「DNSサーバー」です。
インターネットではIPアドレスが全てです。例えば、ドメイン/IPアドレス【whois情報検索】で検索すると、次が返ってきます。

具体的には、http://yahoo.co.jpYahoo! Japan の Webページにつながりますが、実際には、http://203.216.243.218 でつないでいるのです。

コンピュータ名

LANにつながっているパソコン1台1台に付けられたユニークな名前です。同じコンピュータ名のパソコンを同時に2台以上接続できません*7。ファイルの共有設定をしていると、相手のパソコンには \\コンピュータ名 で接続できます。
コンピュータ名は、トラぶった時のことを考慮して、英字で始まる半角英数字,15文字以内にしておきましょう。コンピュータ名を変えると、LANにつながらなくなる可能性もありますので、注意が必要です。変更後は、再起動します。

ワークグループ

LANでつながっているパソコン間で、ファイルやプリンタ等を共有する時、「ワークグループ」名を同じにしておくと「相手を見つけやすい」。変更等は「コンピュータ名」に同じ。



*1:Local Area Network の略。

*2:音声信号をデジタル信号に変える変調 modulation と、これの逆を行う復調 demodulation の造語。

*3:放送や通信に利用できるバンド幅の広いもの(電波)をブロードバンドといい、従来の56Kbps、ISDNで64Kbps以上の通信をナローバンドという。明確な区別があるわけではなく、ADSLも将来はナローバンドになるかもしれない。

*4:「港」です。「桟橋」と言った方がピンとくるかも知れません。

*5:私は1番ポートに決めています。

*6:IPv6 では128ビットのアドレスが使われるため、当分アドレスが足りなくなる心配はないと言われている。

*7:同じメーカーの同じ機種のパソコンを、初期設定のままLANにつなぐと、後からつないだ方がエラーとなり、つながらない。