エクセルで収支表を作る
次の図は平成20年度パソコンF組の収支報告書です。
これがベストとは言えませんが、これの作り方を紹介します。
1.タイトル行
1行目です。通常、この種(飾り付け)の設定は全体が見えてから行います。
ポイントは、「全体の中央に表示する」ところです。
- セルA1に“パソコンF組 収支表”と入力します。
- ひとまずこれで終わります。以下は、全体が見えてから行います。
- セルA1〜G1を選択し、
- [書式]メニュー ⇒[セル]をクリックします。
- [配置]タブの「セルを結合する」にチェックを入れ、
- [OK]をクリックします。
- 結合したセルを選択(クリック)します。
- フォント:MS P明朝, フォントサイズ:16pt.とし、[フォントの色]を「青」にします。
- [太字]と[下線]、[中央揃え]をオンにして確定します。
- この方法は選択したセルの設定です。
例えば、“パソコンF組”のみを設定するのであれば、数式バーの“パソコンF組”を選択して行います。
- この方法は選択したセルの設定です。
- 1行目を選択し、右クリック ⇒[行の高さ]をクリックして、「行の高さ」を 25 にして、[OK]をクリックします。
2.項目行
2行目です。ポイントは、項目名が白抜きになっているところです。
- 項目名を入力します。
- セルA2から順に“No”,“月日”,“摘要”,“収入”,“支出”,“残高”,“備考”です。
- [No]を作るのは任意ですが、「同じ日に払った」ことが見た目で判るよう[月日]に“〃”を入力することを考慮すると「並び」が重要になります。そこで、[No]に連番を入力しようとするものです。
- ひとまずこれで終わります。以下の書式の設定は、全体が出来てから行った方がいいです。
今、行うとやり直しが発生するからです。
- セルA2から順に“No”,“月日”,“摘要”,“収入”,“支出”,“残高”,“備考”です。
- セルA2〜G2を選択し、
- [太字],[中央揃え]をオンにします。
- 白抜きにする時は、太めの字(フォントを変える方法もある)にした方が見やすいです。
- [塗りつぶしの色]を「緑」にし、[フォントの色]を[白]にします。
- 先にフォントの色を白にすると、項目名が消えたように見えます。
ヒント
- 書式の設定は、この後 行う「列の書式設定」で変わる可能性があります。最後の仕上げ時に行う方が手間が省けます。
3.現在高
3行目です。「紙」の書類の場合、合計は最下段にあるのが普通でしょう(ソロバンをいれる関係?)が、Excelでは逆に不便なのです。
-
- 上段に入れることにより、「開いたらすぐ状況が判る」のも良いのではないでしょうか?
- 最下段に入れると、「データを追加する度にずらす」手間が必要になります。
- セルA3に“現在高 *”と入力します。(任意)
- セルA3〜C3を選択し、
- [書式]メニュー ⇒[セル]をクリックします。
- [配置]タブの、
- 「セルを結合する」にチェックを入れ、
- 「横位置」を[右詰め(インデント)]にし、
- [OK]をクリックします。
- セルD3に“=sum(d4:d500)”と入力します。
- 入力は全て半角文字です。
- 先頭にイコール“=”を入力すると、「今から入力するのは計算式」の意味になります。
- 計算式で使う大文字/小文字は区別されません。確定後は自動的に大文字になります。
- これは、セルD4〜D500の合計(sum )という意味です。
最後をD500としてあるので、500行目までは対処できます。それ以上になる場合は、この値を大きくする必要があります。
最大は 65,536 です。必要以上に大きくすると「計算に時間が掛る」ことになります。
- セルE3に“=sum(e4:e500)”と入力します。
- セルD3をアクティブにし、フィルハンドルをE3までドラッグしても同じ結果が得られます。
- セルF3に“=d3-e3”と入力します。
- これは、「セルD3とセルE3の差をセルF3に入れる」という命令(計算式)です。
- セルD3〜F3を選択し、
- [塗りつぶしの色]を「薄い黄色」にします。
- 色は任意ですが、薄い色がいいでしょう。
4.明細行
§1行目(全体の4行目)
明細1行目は、すべて手入力します。
通常であれば「前年度繰越金」となるはずで、計算のしようがないからです。
§2行目(全体の5行目)
セルF5(残高)は、
セルF4(直前の残高)+セルD5(収入)−セルE5(支出)
となります。
- セルF5に“=f4+d5-e5” を入力します。
§3行目(全体の6行目)以降
セルF6(残高)は“=f5+d6-e6” となります。
これは、直上の式をコピー(セルF5をアクティブにし、フィルハンドルをセルF6までドラッグ)したのと同じです。これは1行のみのコピーですからショートカットキーを使った方が簡単です。
- セルF6がアクティブになった時、[Ctrl]+[D](選択範囲内で下方向のセルに内容と書式をコピーする)を押下します。
ヒント
- F列の式をあらかじめコピー(フィルハンドルをドラッグ)しておく場合は、工夫が必要です。
- セルF5の数式: =if(and(d5="",e5=""),"",f4+d5-e5)
- この意味は、「もし(if)、セルD5が未入力(d5="")で、かつ(and)、セルE5が未入力の時は、空値("")とし、そうでない時(カンマの次)は、計算(セルF4とセルD5の和からセルE5を引いた値に)する」です。
- セルF5の数式: =if(and(d5="",e5=""),"",f4+d5-e5)
5.列の書式
セルの結合を行っている(1行目と3行目)と、ここの列の書式が上手く設定できないことがあります。セルの結合は最後に行うべきです。
§B列
- セルの書式設定 ⇒[表示形式]タブで、
- 分類:[ユーザー定義」を選択
- 種類:“gee/mm/dd (aaa)”を入力
- [中央揃え]にします。
§D列,E列,F列
- セルの書式設定 ⇒[表示形式]タブで、
- 分類:[数値]を選択
- 「桁区切り(,)を使用する」にチェックを入れる
- 負の数の表示形式: 1,234
F列がマイナスになる可能性があるので、「赤字表示」とします。
§E列
支出は「赤字」の方向になるので、赤字で表示するものとします。
- E列を列選択し、
- [フォントの色]を「赤」にします。
ヒント
- この操作を行うとセルE2の“支出”も赤字になってしまいます。
このような場合、例えばセルD2の書式をコピーして修正する(貼り付ける)方が簡単です。- セルD2をアクティブにします。
- ツールバーの ([書式のコピー/貼り付け])をクリックし、
- セルE2をクリックします。
6.入力規制
「入力規制」とは、セルに入力する値を制限する機能です。
例えば、月日です。「月日の列は半角文字」に規制しておくと、自動的に半角文字になります。
§A列,B列,D列,E列,F列
日本語入力システムをオフ(半角文字入力)にします。
(これらの列は「数値項目」なので、この規制をしなくても問題ありません。練習と思ってください)
- A〜B列およびD〜F列を列選択します。
- [データ]メニュー ⇒[入力規制]をクリックします。
- [日本語入力]タブの、
- IME/日本語入力 を[オフ(英語モード)]にします。
- [OK]をクリックします。
§E列
E列にマイナス値で入力するとおかしなこと(収入)になります。そこでマイナス値は入力できないようにします。
- E列を列選択します。
- [データ]メニュー ⇒[入力規制]をクリックします。
- [設定]タブで、図のように設定します。
ゼロの入力を認める時は、「データ」を[次の値以上]にします。 - [エラーメッセージ]タブで、例えば、図のように入力します。
- [OK]をクリックします。
ヒント
- 入力済のセルには、入力規制は適用されません。
- 例えばセルD2の“収入”を誤って消してしまったとします。すると全角文字は入力できませんので、再入力する場合は[入力規制」⇒[日本語入力]を戻す([コントロールなし]にする)必要があります。
- F列の入力は計算式です。「数値の入力は不可」という入力規制はできません。下図のような規制をすると、セルを選択した時、メッセージを出すことができます。
7.罫線
- セルA2〜右下の最後のセルまで選択します。
- セルA2をアクティブにし、[Shift]+[Ctrl]+[End]を押すと右下の最後のセルまで選択できます。
- ツールバーの[罫線]の[格子]を選択します。
- セルD3〜F3を選択し、
- ツールバーの[罫線]の[太枠外罫線]を選択します。
ヒント
- [Shift]+[Ctrl]+[End]を使った時、見た目以上に選択されるのは、データを入力した跡があるからです。行または列削除して消しておきましょう。
- データを追加した時は、追加したセルを選択し、[格子]を引きます。
- 予め[格子]を引いておくと、印刷したりウェブページに載せた時、見かけが悪くなります。
8.明細入力時のヒント
- 月日
- 年の入力を省略する(例:5/10)と、自動的にパソコンの年になります。
- 同じ日の入力がある場合、“〃”を入力し、判りやすくします。
- 摘要
- 例えば“*月分”を[摘要]に入れるか[備考]に入れるか‥‥ は任意です。
例のように入力すると、オートコンプリートが効率的に使えます。
- 例えば“*月分”を[摘要]に入れるか[備考]に入れるか‥‥ は任意です。
- 収入
- 支出
- プラス値で入力します。
- 残高
- 計算式で入力(コピー)します。
アクティブになった時、[Ctrl]+[D]です。オートフィルを使っても入力できます。
- 計算式で入力(コピー)します。
- 備考
- [備考]に明細を入れる(例えば、会議室使用料1,680円、エアコン使用料100円)のであれば、[摘要]で分けるべきです。計算はエクセルの方が得意ですから...
- No.
- 連番ですから、明細行入力後にオートフィルを使って「付与」します。