ワードで作る名刺(Word2007対応)

名刺は専用のソフトを使うと簡単に作成できますが、ワードで作るとなるとワードの機能をある程度知っていないとできません。即ち、これは「ワードの勉強」,「ワードの応用」なのです。



手順は次のようになります。

  1. 名刺カードを決める
    • 名刺にするカードの大きさは多くありませんが(たぶん)、紙質や色などが種々あります。例えば、カード用紙 - 名刺カード - ELECOM | カード用紙 - 名刺カード です。
    • ここでは、なっとく名刺(標準・上質紙・アイボリー) - MT-JMN1IV を使います。(Wordからすれば下記が同じであれば、メーカーや紙質は関係ありません)
      • A4版 2列×5段(中央に空白部なし)
      • 1枚のカードの大きさ: 91mm×55mm
      • 上下余白: 11mm、左右余白: 14mm
        • 上下と左右の余白が同じということは、印刷時、「用紙の入れ方に気を配る必要がない」と云うことです。
        • また、「表裏印刷が簡単にできる」ということです。
      • インクジェット用と謳ってあるのがいいでしょう。今回のカードは、名刺としては標準的な厚さ(157g/m2、0.185mm)でしょう。
  2. 名刺カードをラベルメニューに登録する
    • 購入した名刺カードがメニューにあると、選択するだけで済みます。
    • 自分で購入した名刺カードに合わせて、登録することができます。
       一度登録すると、メニューから選択するだけで名刺カードの大きさの表を作れます。
  3. Wordの設定 ‥‥ これは任意です。
  4. 名刺の大きさの表を作る
  5. 名刺をデザインする
    • 左上のセルでデザインし、出来上がったら他のセルにコピーします。
  6. 印刷後、切り離す
    • 印刷は1ページ(1枚)単位です。切り離した用紙は再利用できません。




 【いきさつ】

  1. 2008/03/15 「ワードで作る手作り名刺」を WindowsXP の Word2003 で作成。
  2. 2010/05/31 このページを作成
    • 「ワードで作る手作り名刺」に Word2007の手順を追加した。
    • 大幅に変わっていない画像は入れ替えていないので、ボタンの位置等が異なる場合がある。
  3. 2012/02/15 Word2010で見直し
    • Word2010≠Word2007 の部分を補完した。


名刺カードをラベルメニューに登録する

§1.登録されているラベルの種類を見る
  1. Word2003: [ツール]メニュー ⇒[はがきと差し込み印刷]⇒[宛名ラベル作成]をクリックします。
    Word2007: [差し込み文書]タブ/作成Gr.の[ラベル]をクリックします。
  2. 【宛名ラベル作成】ダイアログボックスの、[ラベル]タブを選択します。
    • 現在選択されているラベル(用紙)が右下に表示されます。
      • この図では、「エーワン,AOne 28171 宛名ラベル」です。
      • これは前回使用したラベルです。
  3. [オプション]ボタンをクリックします。
  4. 【ラベルオプション】ダイアログボックスが表示されます。
    • プリンタ ‥‥ 連続紙かカット紙かの指定です。(たぶん)
    • 「ラベル製品名」(ラベルの製造元)をドロップダウンリストから選択し、
      1. 「製品番号」の下に表示された1つをクリックすると、「ラベル」に、高さや幅が表示されます。
      2. [↓]キーを押すと次の製品番号が選択され、ラベルの高さや幅を見ることができます。
         製品番号を探すのであれば、マウスのホイールでスクロールできます。
      3. 今回使う用紙は、「A-One 51002 - カード」と同じです。
    • 用紙全体の詳細を見るときは、[サイズの詳細]ボタンをクリックします。
    • [キャンセル]ボタンで閉じます。
      • 「見るだけ」であれば、全て[キャンセル]ボタンで閉じます。
§2.新しいラベルを登録する

今回使うのは、エレコム(ELECOM)の「なっとく。名刺」です。[ラベルオプション]で調べましたが、登録されていませんでした(登録されているか否かはパソコンにより異なります)。
しかし、エーワン(A-One)製品に同じ寸法のものがありますので、これを使えば全く問題ありませんが、今回は練習ですので登録してみます。

  1. Word2003: [ツール]メニュー ⇒[はがきと差し込み印刷]⇒[宛名ラベル作成]をクリックします。
    Word2007: [差し込み文書]タブ/作成Gr.の[ラベル]をクリックします。
  2. 【宛名ラベル作成】ダイアログボックスが表示されますので、[ラベル]タブの[オプション]ボタンをクリックします。
  3. 【ラベルオプション】ダイアログボックスが表示されますので、
    1. プリンターを選択し、
    2. [新しいラベル]ボタンをクリックします。
  4. 【新しいレーザプリンタ】(Word2007は【ラベル オプション】)ダイアログボックスに、次を入力します。
    • ラベル名
      • 判りやすい名前を入力します。例えば、“エレコム なっとく。名刺” です。
    • 用紙サイズ
      • A4版です。(210mm×297mm)
    • 上余白: 11mm
    • 横余白: 14mm
    • ラベルの高さ: 55mm
    • ラベルの幅: 91mm
    • 列数: 2
    • 行数: 5
    • 縦方向の間隔: 55mm
    • 横方向の間隔: 91mm
    • [OK] 8
  5. 【ラベルオプション】ダイアログボックスに戻ります。
    • ラベル製品名(Word2007は、ラベルの製造元)は、“その他/ユーザー設定”になっています。
    • 製品番号は、入力したラベル名になっています。
    • [OK]をクリックします。
  6. 今回は登録するだけですので、[キャンセル]して、Word文書に戻ります。

Wordの設定

名刺を作り易いように設定します。

    • これは、あくまでも参考で「こうしないといけない」というものではありません。
    • 変更する前に「今の状態」を記録してください。名刺作成後、「設定を戻す」時に必要です。
    • 設定方法は複数あります。これは一例です。
§1.Word2003
  • 印刷レイアウトにする
    1. [表示]メニュー ⇒ [印刷レイアウト]をオンにする。
      • 通常であれば、オンになっているはずです。
  • 編集記号を表示する
    1. [ツール]メニュー ⇒[オプション]をクリックし、
    2. [表示]タブの「編集記号の表示」の「すべて」にチェックを入れて、[OK]8
    3. 【標準】ツールバーの[編集記号の表示/非表示]をオンにする。
  1. ルーラーを表示する
    1. [表示]メニュー ⇒ [ルーラー]にチェックを入れる。
  • グリッド線は非表示に ‥‥ 今回は表を使うので、ゴチャゴチャするため。
    1. [表示]メニュー ⇒ [グリッド線]のチェックを外す。
  • 表グリッド線を表示する
    1. [罫線]メニュー ⇒ [表グリッド線の表示]がある時はクリックする。
       これにより、表の罫線を消しても、表の形が判るようになる。
  • アドレス(URLやメールの)にリンクを張らない
     URLやメールアドレスを入れる人にお勧め
    1. [ツール]メニュー ⇒[オートコレクトのオプション]をクリックし、
    2. [入力オートフォーマット]タブの、「入力中に自動で変更する項目」の[インターネットとネットワークのアドレスをハイパーリンクに変更する]のチェックを外して、[OK]。
       これにより、アドレスに下線が入りらず、見やすくなります。
§2.Word2007
  • 印刷レイアウトにする
    1. [表示]タブ/文書の表示Gr.の[印刷レイアウト]をクリックする。
  • 編集記号を表示する
    1. [Office]ボタン ⇒[Wordのオプション]⇒[表示]をクリックし、
      Word2010では、[ファイル]タブ ⇒[オプション]⇒[表示])
    2. 「すべての編集記号を表示する」にチェックを入れて、[OK]8
    3. [ホーム]タブ/段落Gr.の[編集記号の表示/非表示]をオンにする。
  1. ルーラーを表示する
    1. [表示]タブ/表示/非表示Gr.の[ルーラー]にチェックを入れる。
  • グリッド線は非表示に ‥‥ 今回は表を使うので、ゴチャゴチャするため。
    1. [表示]タブ/表示/非表示Gr.の[グリッド線]のチェックを外す。
  • 表グリッド線を表示する
     この機能は、文書中に表がないと設定できない。(たぶん)
    1. 任意の表の中にカーソルを移し、
    2. [デザイン]/表のスタイルGr.の[罫線]の右の[▼]をクリック、
    3. [グリッド線の表示]をオンにする。
       これにより、表の罫線を消しても、表の形が判るようになる。
  • 表グリッド線を表示する(Word2010
    1. [ホーム]タブ/段落Gr.の[罫線]ボタンの右の[▼]をクリックし、
      (右図、ボタン名は一定でない)
    2. [グリッド線の表示]をオンにする。
  • アドレス(URLやメールの)にリンクを張らない
     URLやメールアドレスを入れる人にお勧め
    1. [Office]ボタン ⇒[Wordのオプション]⇒[文章校正]をクリックし、
      Word2010は、[ファイル]タブ ⇒[オプション]⇒[文章校正])
    2. [オートコレクトのオプション]ボタンをクリックする。
    3. [入力オートフォーマット]タブの、
      • 「入力中に自動で変更する項目」の
      • [インターネットとネットワークのアドレスをハイパーリンクに変更する]のチェックを外し
      • [OK]8
    4. [OK]8
       これにより、アドレスに下線が入りらず、アドレスが見易くなります。

名刺の大きさの表を作る

§1.ラベルを選択する
  1. Word2003: [ツール]メニュー ⇒[はがきと差し込み印刷]⇒[宛名ラベル作成]をクリックします。
    Word2007: [差し込み文書]タブ/作成Gr.の[ラベル]をクリックします。
  2. [ラベル]タブを選択します。
    • 現在 選択されているラベル(用紙)が右下に表示されます。この図では、(前回使用した)「エーワン,AOne 28171 宛名ラベル」です。
    • 今回は「エレコム なっとく。名刺」ですの選択し直します。
  3. [オプション]ボタンをクリックします。
  4. 【ラベルオプション】ダイアログボックスが表示されますので、
    1. 「ラベル製品名」(Word2007は、ラベルの製造元)をドロップダウンリストから選択し、
      • 今回は[その他/ユーザー設定]
    2. 「製品番号」の下に表示された1つを選択し、[OK]8
      • 製品番号(今回は[エレコム なっとく。名刺])を選択すると、「ラベル」に、高さや幅が表示されます。
      • [↓]キーを押すと次の製品番号が選択され、ラベルの高さや幅を見ることができます。
      • 用紙全体の詳細を見るときは、[サイズの詳細]ボタンをクリックします。
  5. 「宛先(A)」の下の枠内に文字が入力されている場合は、全て削除します。
  6. [新規文書]ボタンをクリックします。
  7. 「ラベル**」(** には数字が入る)と云う名の白紙文書が表示されます。
§2.セルの配置を変更する ‥‥ Word2003 のみ

  1. 表全体を選択し、
  2. そのまま右クリックし、
  3. [セルの配置]をポイントします。(クリックしない!)
    • Word2003は、両端揃え(中央)になっていますので、両端揃え(上)]に変更します。
       これは次の理由からです。
      1. このままでは、画像を入れると書式が崩れる。
      2. Word2007の設定と合せる。
§3.名前を付けて保存

とりあえず「表が出来た」ので、名前を付けて保存しておきます。これは任意で、必須ではありません。

※ 参考)ページ設定後、保存すると「警告」が出る
  1. 【ページ設定】を開きます。
    • ルーラのマーカー外(左側または右側)をダブルクリックする。
  2. [余白]タブ
    • ポイントは「下余白」が 0 になっていることです。
       下余白 0 に対処できるプリンタは、私の知っている限りありません。使用するプリンタがわかっていれば、それなりに対処できるのですが、それが出来ないのでこのような設定になったと考えられます。
  3. [キャンセル]でページ設定を閉じます。
    1. [OK]ボタンをクリックすると警告が出ます。
      これは、下余白 0 に対処出来ないからです。
    2. [無視]をクリックします。[修正]をクリックすると、書式が崩れる可能性があります。


名刺をデザインする

左上のセルでデザインします。
名刺を作る場合は必須ではありませんが、心掛けた方がいいです。
表裏印刷する場合は、左上のセルで表を、右上のセルで裏を作ります。

§1.まずカーソルの位置を確認する
  • セルの高さ方向中央にカーソルがある
    • [セルの配置]が、「両端揃え(中央)」になっています。
    • 標準的な設定です。図を挿入すると形が崩れます。(たぶん)
  • セルの左上にカーソルがある
    • [セルの配置]が、「両端揃え(上)」になっています。
    • オブジェクト(クリップアートや図等)の挿入ができます。

§2.文字を入力する
  • このセルが、「1ページのWord文書」の感覚で作成します。
  • 右図の電話番号とfax.番号を縦に揃えるのは難しい点があるので、後述します。
  • 左上のセルで、いきなり改行すると空白行が挿入され、書式が崩れます。何か文字(例えば空白)を入力後、改行してください。

空白行は使わず、段落の設定で行うのがベストです。

  • セル内でタブを入力する時は、[Ctrl]+[Tab]キーを押します。

§3.書式を設定する


  • フォントとフォントサイズで、アクセントを付けます。
  • 字下げは[インデント]を使います。スペースは使いません。
  • インデントやタブ位置を微調整するには、ルーラー上のマーカーを[Alt]+ドラッグします。
  • インデントや行間隔を変える時は、【段落】ダイアログボックス([Alt]+[D])の[インデントと行間隔]タブで行うと、数値で指定できます。
  • 高さ方向を「中央揃え」する時は、セルを右クリック ⇒[セルの配置]で行います。但し、画像があると崩れます。

形が出来上がりましたら、上書き保存しましょう。

ヒント
  • 電話やファックス,メールアドレス等の開始位置を揃えるには
    1. 簡便法1 ‥‥ フォントを「MSゴシック」「MS明朝」等の固定ピッチにする。
    2. 簡便法2 ‥‥ 固定ピッチフォント+段落の書式。
       日本語と半角英数字が混ざっている時に効果がある。
      1. 段落を選択し、
      2. 【段落】ダイアログボックスを出す。
         ショートカットは、ルーラー上のインデント マーカーをダブルクリック)
      3. [体裁]タブの
         「日本語と英字の間隔を自動調整する」のチェックを外す。
         「日本語と数字の間隔を自動調整する」のチェックを外す。
      4. [OK]8
    3. 本格派 ‥‥ タブを使う。
      • タブの入力は、[Ctrl]+[Tab]です。

        単に[Tab]キーを押すと、次のセルにカーソルが移動してしまいます。

  • 背景 (Word2003)
     ページ(表ではありません)に背景を付けることができます。例えば、
    1. [書式]メニュー ⇒[背景]⇒[塗りつぶし効果]をクリックします。
    2. [テクスチャ]タブ で任意のテクスチャを選択し、
    3. [OK]をクリックします。
    • 背景を印刷するには
       Wordの初期設定のままでは、背景は印刷されません。次を行う必要があります。
      1. [ツール]メニュー ⇒[オプション]をクリックします。
      2. [印刷]タブの「背景の色とイメージ」にチェックを入れます。
      3. [OK]をクリックします。
  • 背景 (Word2010)
    1. [ページレイアウト]タブ/ページの背景Gr.の[ページの色]をクリックし、
    2. 色を選択します。

§4.他のセルにコピーする

完成したら他のセルにコピぺします。

  1. 名刺を作成したセルを選択します。
     選択し難い時は、
    1. カーソルをセル内に移し、
    2. Word2003は、[罫線]メニュー ⇒[選択]⇒[セル]をクリックします。
      Word2007は、(表ツール)[レイアウト]タブ/表Gr.の[選択]⇒[セルの選択]をクリックします。
  2. クリップボードにコピーします。([Ctrl]+[C])
  3. 列を選択し、
  4. 貼り付けます。([Ctrl]+[V])

ここで上書き保存し、試し印刷するといいでしょう。


§5.デザインし直す時

ここまできて、デザインし直す時は、左上のセルのみ残して、あとは削除し、最初からやり直した方がいいでしょう。上手に削除しないと、コピペした時に書式が崩れます。
例えば、

  • 列の中身を一括削除する
    1. 右側の列を「列選択」します。
    2. [Delete]キーを押します。
  • セルの中身を削除する
    1. セルを選択します。
      • 連続している場合は、ドラッグで複数のセルを選択できます。
    2. [Delete]キーを押します。

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